〜トーキング・コワーキングVOL.22〜

(Text & 写真:伊藤富雄)

※この記事は「カフーツ伊藤のコワーキングマガジンOnline」の2025年5月24日の記事を一部編集して転載しています。

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昨晩の「トーキング・コワーキングVOL.22」は、香川県善通寺市の「ZEN キューブ」の副館長、いのくちみやこ(井口都)さんをゲストにお迎えして配信した。いのくちさん、ご参加いただきました皆さん、有難うございました。

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例によってYouTubeにアーカイブして一般公開しているので、見逃された方は、ぜひ、こちらでご覧ください。

「ZENキューブ」のサイトはこちら。デカイ。

場所はこちら。

いのくちさんとは、先日の「510フェス」でもお会いしていたが、今回、あらためてお話を聞く機会となった。

あらためて「人が人を呼ぶ」ことを痛感した今年の「510フェス」で「トーキング・コワーキングVOL.20」を配信した:今日のノート#540(2025-05-11)|カフーツ伊藤

最初に断っておかなくてはならないが、いのくちさんはあなぶき興産のグループ会社である穴吹エンタープライズの社員だ。しかも、同社が指定管理で受託している善通寺市の善通寺市総合会館(ZENキューブ)の副館長でもある。

これまで「トーキング・コワーキング」では、主に個人もしくは小規模事業者のコワーキング運営者の方をゲストにお招きしているが、一方で、会社組織の中での事業としてのコワーキング運営の実際についても、共有できる情報や知見があると考えて、今回、出演いただいた。

が、あくまで「トーキング・コワーキング」は「人」にフォーカスして進行する。案の定、いのくちさんという個性が浮き彫りになるトークセッションとなった。

さて、ビデオ(1:41:10)を観るお時間のない方のために、以下にざっくりまとめておきます。

・コワーキングスペースとの出会い

いのくちさんは広島県の生まれ。大学・大学院は京都に進学し、社会学(地域社会学)を専攻した。地域社会学とは地域のコミュニティから何が生まれるかを研究する学科でフィールドワークもしていた。

なんと、すでにこの時点で(本人は全く気づいていなかったが)コワーキングへの道が開かれていたと言ってもいいと思う。

卒業後、地元の広島県世羅町の役場(産業振興課)に就職する。しかし、民間企業での仕事も経験したいという思いから転職活動を行い、穴吹不動産流通に入社した。

このときの面接官が入社後の上司となるのだが、この方は彼女が前職公務員であることなど意に介さず「人」として応接してくれた。それで「この人と一緒に仕事したい」と思ったという。

それをいのくちさんは「ご縁」だと思い、「その後、コワーキングにおいてもこ゚縁を大事に運営してきた」と言っている。←ご縁、つまり「人」ですね。

穴吹不動産流通で不動産営業を2年経験した後、グループ内で運営しているコワーキングスペースのスタッフ募集があり、自身の仕事の幅を広げたいという思いから手を挙げ採用された。そうして、晴れてコワーキングスペース「co-ba hiroshima」のコミュニティマネージャーとなる。

実はそれまでいのくちさんは、コワーキングという存在は京都滞在時や地元近隣のスペースのことは知っていたが、利用経験はなかった。

ちなみに、その近隣のスペースというのは尾道市の「ONOMICHI SHARE」であり、そこでマネージャーをしていたのが、その後「コワーキングスペース&コミュニテイハブ bench!」をオープンする後藤さんだった。

その後藤さんは、「トーキング・コワーキングVOL.6」にもゲスト出演いただいているが、今回のトークセッション中も、絶妙のタイミングでコメントをいただいた。

「尾道:コワーキング&コミュニティハブbench!」は地元に仲間と認知され人つながりを加速する〜トーキング・コワーキングVOL.6:今日のアウトテイク#441(2025-02-01)|カフーツ伊藤

・コミュニティマネージャーの業務内容

ところで、「co-ba hiroshima」での前任者からの業務引き継ぎは、わずか1週間というタイトなスケジュールで敢行された。これがどんなに大変だったかは、いかにコワーキングマネージャーの仕事が多岐にわたるかを考えれば容易に想像がつく。

主な業務としては、施設の管理(清掃含む)、営業、広報、経理、イベントの企画・運営、利用者の紹介(人をつなぐ)などが挙げられる。特に、人が交わる機会を作るイベント企画・運営や、人をつなぐ紹介といった業務に「醍醐味」を感じていた、と彼女は語る。まったく同感。というか、ぼくなんかはそこだけしていたい。

ここに、いのくちさんが作成されたシートがあるので貼っておく。

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(出典:いのくちみやこ)

ここでは大きくくくって6つに分けているが、細かいタスクを含めればもっと多く、カバー領域がとてつもなく広い。ちなみに、コワーキングマネージャーの仕事内容については過去にも書いている。

ぼくが「コワーキングスペース開業講座」ではなく「コワーキングマネージャー養成講座」をやる理由。|カフーツ伊藤

この記事に挙げているありとあらゆる仕事を毎日やる彼らは、極めて高い能力、スキルとセンスとホスピタリティが求められる。

だから、パンデミック以降、欧米のコワーキングチェーンは有能なコワーキングマネージャーを非常に高額な報酬(ひと桁違う)で先を争ってスカウトしている。それだけ希少価値だという証拠だ。

・コロナ禍でのイベント開催の意味

ただ、いのくちさんが「co-ba hiroshima」のコミュニティマネージャーに就任した2021年4月は、ちょうどコロナ禍の真っただ中だった。

その影響で、企業の在宅勤務指示などにより利用を辞める会員もいた。約1年半の間、ドロップイン利用の受付を停止していた。これは、月額会員が快適に利用できる環境を優先し、不特定多数の来訪を制限するための判断だった。

この時期のことは、今から思えばあっという間の2年だったが、実はうち(カフーツ)も2年弱、クローズしていた。わずか12席しかない極小なスペースだから、うっかり感染クラスタになることを恐れたからだ。

ただ、そんなときでもいのくちさんは、感染対策をしながらイベントは継続的に実施していた。「場が止まる」印象を与えることを避け、スペースが活動していることを示すためだ。オンラインイベントも活用し、告知を出すことでスペースの動向を発信していた。この「稼働している」という情報を与えることはスペースにとって非常に重要だ。

いま思い出したが、ぼくがカフーツをオープンした2010年5月当時、誰もコワーキングなんか知らない頃、「なにかカツドウしている様子を伝える」ことで来訪者を増やそうと考えて、イベントを企画・開催することを思いついた。

最低でも週に一回は、どんなテーマでもいいから企画して告知して参加申し込みを募る。「あそこはいつも何かやってる」という印象を与える作戦だった。確か1年で60本開催した。

その効果が少しずつ出てきてカフーツが、というか、コワーキングというものが認知されるようになってきた。今からすればそう多くはないが、イベントが人をつなぐということを確信しているのはその経験があるからだ。

そのコロナ禍の最中、利用者がパタッと来なくなって経営危機に見舞われたコワーキングの相談がたくさん舞い込んだ。ぼくもそうだったのだが、スペースを案件受託の窓口にしてコワーカーでチームを組んで仕事を捌いていたのと並行して、オンラインのイベントを開催してなんとか保たせていた。

だから、「あなたもオンラインイベントをやられたら?」とアドバイスしていたのだが、大半のスペースさんが自らイベントを企画した経験がなかった。これには驚いた。

ちなみに、「co-ba hiroshima」で催行されたイベントで印象に残っているのは、コロナ禍で海外旅行が難しかった時期に「行ったつもりになろう」をテーマに企画したこのイベントだった。

ツナガルTaiwan~supported by Meet The Neighbors~Networking event in Hiroshima by Meet the Neighbors ミート・ザ・ネイバwww.facebook.com

台湾出身者を招いて現地の文化や食に触れる内容で好評を博した。

更にウレシイことに、このイベントをきっかけにできた利用者同士の縁が、その後のビジネス(台湾進出の相談相手紹介)につながった。出た、「ご縁」。そして、縁をつなぐのがコワーキング本来の存在意義だ。

いのくちさんは、飲食を伴うイベントは初対面の人同士が打ち解けるツールとして非常に有効だと感じていた。定期的な交流イベントとして、朝のコーヒータイム、3時のおやつタイム、夜の交流会なども実施していた。

彼女は、コミュニティマネージャーとして、面白い人がいれば別の人とつなぎ、一緒に何かやることを提案するなど、積極的に企画したくなる性分だと述べている。天性だろう、コワーキングマネージャーにうってつけだ。

飲食は「コワーキング曼荼羅」にも、人と人をつなぐ最良のツールの一つとしてちゃんと挙げられている。

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どんなに社交ベタな日本人でも、食べて飲んで話せば、すぐに打ち解ける。だから、コワーキングには小さくてもいいからキッチンが必須とぼくはアドバイスしている。

・「ZENキューブ」での取り組み

さて、その後、2024年4月にいのくちさんは香川県善通寺市の「ZENキューブ」に転勤となった。「ZENキューブ」は善通寺市所有の公共施設であり、穴吹エンタープライズ社が管理運営を行っている。

施設内にはロビー、学習室、貸会議室(和室、洋室)、広間など多様なスペースがあり、まさに「大きな公民館」のようなコンセプトでさまざまな活動に利用されている。

コワーキングスペース以外にも、カルチャー講座やマルシェ、音楽イベント、高校生向けビジネスプラン講座、アマチュアお笑いライブ、地域住民向けの観光講座やガイド養成講座など、地域に根ざした多様なイベントを実施している。

また、地域住民が観光客をもてなす意図でガイド養成を行っていて、グループ内の専門学校とも連携している。親子向けの星空観察会や部活動(ゲーム制作など)も定期的に行われている。

中でも注目なのが、「Living Lab 善通寺」だ。

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(出典:いのくちみやこ)

これは地域住民の「やってみたい」というアイデアを引き出し、話し合い、仲間作りを経て、具体的なプロジェクトとして形にする試み。ブレーンストーミングから始まり、興味関心が近い人同士でグループを作り、ワークショップ形式でアイデアを具体化していく。

夜が暗い善通寺の街を明るくするイベントや、善通寺のスタディツアー、インバウンド受け入れコンテンツ開発などのアイデアが出ている。まずはスペースに来てもらい、関心を持つ人同士が集まる場を提供することに重点が置かれている。

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(出典:いのくちみやこ)

これで思い出すのが、「やりたいこと宣言&みんなでいっしょに考える会」だ。ぼくはこれを、茅ヶ崎のコワーキング「チガラボ」さんで知った。

今日のアウトテイク#124「やりたいこと宣言&みんなでいっしょに考える会」ほか【メンバーシップ特典】(2024-03-21)|カフーツ伊藤

「Living Lab 善通寺」もほぼ同じ趣旨だと思われる。ちなみに、こうした取り組みは各地のローカルコワーキングでも実施されている。

愛媛県八幡浜市の「コダテル」の「くわだて」もそのひとつ。

高校生の事業計画を支援するのもローカルコワーキングの役目:今日のアウトテイク#357(2024-11-09)|カフーツ伊藤

・組織内でのコワーキングスペース運営

ところで、冒頭述べたように、いのくちさんは企業の社員として、受託している施設の管理業務の一環としてコワーキングスペースに運営に携わっている。そこには、個人事業主とは違うメリット、デメリットがあるはずだ。

彼女はメリットのひとつとして、会社の看板を使うことで高い信頼を得られる点や、会社の母体があるため経費や人材(応援スタッフ)といったリソースを活用しやすい点が挙げている。なるほど、納得。

デメリットとしては、組織であるゆえに、活動内容や新規の取り組みについて社内の理解を得るための丁寧な説明や、都度相談・承認が必要となり、それがスピード感を求められる現場の動きを妨げることがある点が挙げられる。

それを避けるためには、日頃からの継続的な発信が重要だ。

特に組織においては、事業主体として目指す方向にコワーキングというものがどう貢献するのかを周知せしめるために、コワーキングの理念やビジョン、カツドウ内容を不断に示し、理解を求める必要がある。

そしてそれは、社内に限らない。広く地域社会に向けても必要。いやむしろ、そっちが大事。

そのコワーキングが何者かを知らせるには、コワーキングの主宰者(マネージャー含む)自身が目指すもの、実現したい世界観、価値観を、ちゃんと言語化して表現、表明しておくことが前提。それを見たり聞いたりした人が共感するから、コワーキングにやって来る。

で、言うまでもないがこれは企業に限らない。個人、小規模のコワーキングでも同じ。

そのことはここでも書いてる。

コワーキングのコミュニティはストーリーテリングからはじめよう:今日のアウトテイク#475(2025-03-07)|カフーツ伊藤

・コワーキングマネージャーの役割と面白さ

いのくちさんは、コワーキングマネージャーの仕事の面白さ、あるいは重要だと感じている点として、「場」のアクセルとブレーキを踏み分ける役割を担うことを挙げた。

利用者のアイデアや活動を応援する「アクセル」の役割と、ルールから逸脱する場合や場の雰囲気を乱す場合に注意する「ブレーキ」の役割を状況に応じて使い分ける。

このとき彼女は、それは「銭湯の番台の女将さんのような人」と実にうまい表現をした。

番台にいて全体に目を行き届かせ、守るべきルールは守らせるが、それ以外はある程度自由に振る舞うことを許容する、客の様子を見て声をかけたりする存在である。場に深入りしすぎず、一歩引いて全体を俯瞰する視点が必要だと感じていると言う。

なるほど。この塩梅は難しいが、デキるマネージャーはこれをちゃんとやっている。卓見だ。

…と、納得したのだが、少しあとになって別のことを考えた。

ぼくの場合、女将さんではなくて、三助だ。

「三助」というのは、江戸時代から現代まで日本の銭湯で働いていた男性労働者を指す。だいたい、以下のサービスに従事していた。

  • 釜焚き:銭湯のお風呂を沸かすための焚き付け
  • 下足番:入浴客の履物を管理する
  • 背中流し (ながし):入浴客の背中を洗ってあげる。

ただし彼らは、単にこれらの仕事をこなすだけでなく、人と人とのコミュニケーションを通じて銭湯の雰囲気を盛り上げ、入浴客に楽しい時間を提供したりしていた。つまり、繁盛する銭湯の運営に欠かせない存在だったわけだ。←うん?これ、誰かに似ていませんか?

場に入り込みすぎず、俯瞰して見ておくことは必要だが、時と場合によっては自分も利用者の中に混じって、コミュニティのいち員として振る舞う。もちろん、コミュニケーションありき。そうして人と人をつなぐ。そういう役回りを演じることも、頼りになるコワーキングマネージャーの要件だ。

我が敬愛すべきCat Johnson氏はこう言ってる

コワーキングスペース運営者の多くは、コミュニティを構築しようとする際に、この点を間違えています。
あなたも同じ間違いをしていませんか?

サークルの外からコミュニティを築くことはできない。
サークルの上からも。
コミュニティはその一員でならずして築けるものではない。

コワーキングスペースの運営者やコミュニティマネージャーが、自分たちをメンバーから切り離しているのを、私はあまりにも多く見かける。
コミュニティとは、実際にその一員になることなく構築できるものであるかのように。

永続的で回復力のあるコミュニティを築きたいなら、コミュニティの一員になる必要がある。

あなたが取り組んでいること、あなたが考えていること、あなたのスペースのビジョンを人々に伝えましょう。

そして彼らに意見を求めよう。

コワーキングコミュニティを構築するためには、コミュニティの一員になる必要があるのです。

ぼくはぼく自身がコワーカーであって、カフーツのメンバーのひとりと任じているから、コミュニティの中からコミュニティを作るというJohnson氏の意見にはなんら違和感がない。

で、なぜこれをわざわざ書くのかというと、それはいのくちさんは実は「三助」の素養も持ち合わせているマネージャーだと思うからだ。

再々書くように企業の社員として相応のルールの枠内で業務に勤しんでおられる。だから、「女将さん」の立場を取るのはよく判る。

だが、彼女の能力、さっきも書いたがスキルとセンスとホスピタリティを発揮すれば、さらに理想のローカルコワーキングが成立すると、ぼくなんかは期待する。

というか、この意見に賛同者は多いと思うのだが、どうでしょうね。

・今後の展望と課題

組織的な視点での今後の課題として、彼女はコワーキングスペース運営、特にコミュニティマネージャーの仕事を担える人材の育成を挙げた。

この仕事は個人の資質や性格に左右されるところが大きく、適性を見極めるのが難しいため、人材をどこで見つけ、どのように育成していくかが課題。

ぼくは既存のコワーキング利用者の中に、案外、その適性のある人がいる可能性があると思っている。日頃からその人と接することで適正の有無は大体判ってくる。つまりここでも、コミュニケーションがモノを言う。

一方、個人的には、「co-ba hiroshima」を卒業するときに開催された「スナックみやこ」をパッケージ化し、各地で開催したいと考えている。

【3月20日開催】スナックみやこ~コミュマネ卒業イベント~ | co-ba hiroshima【限定オープン!】スナックみやこ~コミュマネ卒業イベント~ 2代目コミュニティマネージャーの卒業を記念して、”スナックみやco-ba.net

各地を巡り、交流の輪を広げたいという思いがあるからだ。これはいいと思う。で、ここにも「飲食」が絡むわけだ。

ところで、彼女自身、キャリア形成においてコワーキングスペースの運営をどう捉えているのだろうか。

彼女は「コワーキングスペースでの仕事を通じて、個人のキャリアに対する考え方が大きく変わった」と言う。

会社員としての働き方だけでなく、フリーランスなど多様な働き方があることを知り、会社に依存せずとも個人で自立して仕事ができるよう、自身の「体感」を鍛えていこうと考えるようになった。そしてキャリアについて、以前よりも肩の力を抜いて考えられるようになったと述べている。

この気付きは大きいですね。今後、フリーランサーや個人事業主など、必ずしも大きな会社組織に属さずとも、同じ世界観、価値観を持つ仲間とチームを組み、自分の得意領分で自由に裁量して仕事する人は増える。そして、そのカツドウの環境のひとつがローカルコワーキングだ。

「体感」を鍛える。←これ大事ですね。

・いのくちさんにとってのコワーキングとは

彼女にとってコワーキングとは、一言で言うと「ご縁が生まれてご縁をつなぐ」場だと言う。ここで最初の「ご縁」の話とつながる。

意図的に縁を作り出す側面もあれば、偶発的に縁が生まれる場所でもあると感じており、マネージャーはその瞬間を見逃さず、縁をつないでいく役割を担う。おっしゃる通り。俯瞰して見てるけれども、縁をつなぐタイミングではしっかりつなぐ。

あー、あんまり面白すぎたのでまたしても長文になってしまった。すみません。

お時間ありましたら、ぜひこちらを視聴ください。