2026年1月17〜18日に広島県尾道市のbench!で開催された「トーキング・コワーキング・スタディツアー 尾道編」に参加した、岡山県玉野市のコワーキングスペース「うのベース」を運営している東本です。
この2日間で、ローカルコワーキングについて濃厚な学びがあったので、記事にまとめました。ローカルコワーキングを運営している人はもちろん、興味がある人もぜひ読んでみてください。
似ているけど”違う”。尾道というまち

尾道市は、造船所がある港町で、観光産業が盛んな地域だ。これは私が住んでいる岡山県玉野市に共通している特徴だったので、一方的に「似ている”まち”」という認識をしていた。
ところが、実際に足を運んでみると、まったく違うまちだった。
産業や観光業目線では似ている部分があるが、”コワーキング(運営者)目線”で見てみると、その違いが顕著だったので、その部分を深掘りをしていこう。
「まちにあったらいい」が出発点
今回のスタディツアーでの1番の感想は「反省」だ。
bench!を運営されている後藤さんに「なぜ自スペースに関係しないことにもアクティブに取り組めるのか」と聞いたところ「”まちにあったらいい”を1番に考えるから」と仰っていた。
そう、そもそもの視点が「コワーキング」ではなく、尾道という「まち」を見ていたのだ。
この言葉を聞いたときに「どれだけ自分の視座が低いのか」を思い知らされた。
そして、この視座でまちを見ているのは後藤さんだけじゃなく、地域の事業者・住民も同じだったのだ。それが具現化されているのが、尾道で開催されている尾道箱庭的都市ナイトツアーだ。尾道箱庭的都市ナイトツアーは、尾道に詳しい複数のガイドが、それぞれの得意分野や好きなことを中心にツアーをする企画のこと。
筆者は(一社)尾道観光協会の宮本さんがガイドをされた「はじめまして 尾道」に参加させていただいた。尾道の歴史を聞きながら、千光寺がある大宝山を登り、山頂で太陽が沈んでいく美しい光景を楽しませていただいた。本ツアーでは、移住者や映画、猫といった視点から尾道を楽しむ企画が期間限定で開催されている。
このような”まちにあったらいい”をもとにした取り組みは、尾道箱庭的都市ナイトツアー以外にも数多く存在しているようだ。こういった1人ひとりの考動があるからこそ、今の尾道の姿があるのだろう。
そこから「まちとコワーキングで何ができるか」を考える

まち全体が「まちにあったらいい」と考えていくことが理想的だが、考えているだけでは何も始まることはない。そこから「個々人で何ができるのか」を考えたうえで、行動しているのが尾道の素晴らしいところだ。
「考えている」を「実践してみよう」という行動につなげられるのが、後藤さんが頻繁に使われている「つながり代」だと考える。後藤さんは「つながり代」を以下のように表現している。
- 施設にないもの
- 地域にないもの
- その人にないもの
この「つながり代」をより言語化したものが「できること」と「求めていること」をもとに”一緒に何かを生み出していく(コワーキング)”だ。
今回のスタディツアーでは、勉強が好きだった(できること)VRクリエイターが誰かの役に立ちたい(求めていること)と考えていたところ、bench!の大家さんが中学生の孫に「勉強を嫌いにならないでほしい(求めていること)」と考え、彼を紹介する(できること)という事例が紹介された。
一見すると、単なる家庭教師のように思えるが、この間にbench!という存在がなければ、この2者はつながっていなかっただろう。そう、これはbench!がつくりあげた「つながり代」から”つながり”なのである。
そして、これが「コワーキングで何ができるか」を考えた先にあるものに違いない。
ローカルコワーキングだからこそ実現できる世界がある

いろんなところで「地方でコワーキングビジネスは成り立たない」と言われている。
しかし、本記事のbench!の事例からわかるように、ローカルだからこそコワーキングが成り立つ、むしろローカル地域に必須と言っても過言ではない。
それぞれの地域には、おもしろいヒト・コトがあり、そういった要素が自然と集まり、つながっていくのが”コワーキング”だ。
それを体感できるのが尾道であり、トーキング・コワーキング・スタディツアーだ。
次回は、2026年2月14〜15日に愛媛県西条市のサカエマチHOLICで開催される。県外から起業家を引き寄せている「事業用空き家バンク」や、市民活動を支える「コミュニティ財団」の立ち上げと運営について伺えるとのこと。
コワーキング運営をしている人はもちろんのこと、これから”まち”で活動していきたい人は、ぜひ足を運んでみてほしい。
私は、この2日間で尾道に、ローカルコワーキングのおもしろさに支配されてしまった。
次はあなたの番です。
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