初めまして。広島県尾道市で暮らす後藤峻(ごとうたかし)と申します。2016年に京都から移住。同年2月から2023年12月まで約8年間ONOMICHI SHAREというシェアオフィスで勤務し、昨年2024年12月に「コワーキング&コミュニティハブ bench!」という施設をオープンしました。簡単な経緯はこんな感じです。
※開業準備は、クラウドファンディングのページ内、活動報告でご紹介していますのでよろしければそちらをご覧ください。
■12月~2月までの取り組み
12月1日にオープンしたとはいえ、もちろん地域としてコワーキング需要がすでに溢れていて、オープンしたから「待ってました!!」みたいに利用者さんで一杯の満員御礼の毎日」…なんてことは全くない。
というのはONOMICHI SHARE時代に感じていたことで、施設は育つ。育てないと育たないというものだと思っている一方で、実は個人的な別事業(尾道商業高校でのコーディネーター業務、尾道市の移住コンシェルジュ業務、福山にあるtovioでのサポート業務など)と同時進行となり、なかなか施設を育ててあげられなかったのがこの3か月です。
ただ、それでも嬉しかったのは、知人・友人・お世話になっているかたが、「来ましたよー!」とドロップインしてくださいました。施設こんな感じになったんですねー!など見学のご案内でももちろんウェルカムなのです。
来ていただけること、ここに来て利用イメージを膨らましていただくことなどは、きっとこの先いつかの「bench!使わせてくださいー!」とご協力できるときにつながるよねと。そういう存在でいいと思うわけです。






■動き始めた=施設を育て始めたのは3月から
12月~2月まではベンチ入り(「bench!の現地入り」のことをこう呼びます)しながらも、施設の使い勝手を確かめていました。展示会があればピクチャーレールの使い勝手(展示での運用はどうなるか)、施設のなかで必要な食器や備品、細かいようですが館内サインなど。
「あ、これいるじゃん!!」みたいなことがしばしばあり、それは運用しながら見えてくることでした。(一番の盲点は、買ったスキャナーがA4までしか対応していなくて、A3スキャナーは先週買いました。)
もう1点。3月に入ってbench!自主イベントを6つ増やしました。イベントをスタートすることで、施設のテーマや見え方が「こういうことをしようとしている場所なんだ」とようやく輪郭が見えてきた気がします。
■この4か月に起こったコワーキング
- 11月はオープン前(なの)に、大家さんの皆さんがマルシェを開催されました。
- 11月のプレオープン、続いて12月に移住の相談に来られた方の話がうまく進み2名ほど尾道に移住されました。
- 大家さんのお友達の方がYouTubeで紹介くださいました(動画制作のことやソフトの使い方などを相談できるようなところがないから嬉しいという話を聞きました)
- キャリアブレイクした直後の会員さんが「自分にとって仕事や役割ってなにか」と悩まれるなかで、学校の勉強に悩む地域の中学生の親御さんからご相談があり「よければ協力しますよ」という話から、12月以降週一で寺小屋がスタートしました。
- 12月からご利用くださっていた会員さん。暮らしと仕事を悩まれるなかで、尾道に対しての暮らしについての整理がつき、4月から東広島での仕事が決まられました(bench!卒業)。
- 1Fギャラリースペースで展示会開催。120名を超える来場者の方。作家さんのゲストだけでなく、コワーキングのゲストとも上手く交じりあい、作品の販売につながるだけでなく、いろんな取り組みにつながる話に。
- 正月にお餅を持参くださったメンバー(応援してくれているドロップイン利用者)さん。急遽ストーブで餅を焼き、利用者さんや大家さんなどと一緒にお餅を食べました。
- bench!でのイベントを通じてきっかけがいくつも生まれていて、別地域でのイベントの話になったり、ロゴ制作の案件が生まれたり(すでに納品済み)、民泊開業にあたって施設管理・運営ノウハウある別地域の方と協働が生まれたり。
- ミートアップも開催できていて、地域の様々なコミュニティの方が交流して、違う視点からヒントを見つけたり、一緒に何かしよう、という機運につながったりしました。








■所感
これは私の感覚なのですが、何か動きだすのには結局3か月~半年~1年。あるいは何年も先に、あの頃の話がなぜか突然動きだしたりなどということのほうが普通な気がします。温めるのか温まるのかはわかりませんが、きっとその時間というのは必要な気がしています。
この4か月はそういう動きでもあり、私自身いろんな使い方(使われ方)を知る時間でした。「bench!って面白いなぁ!」という感想は実は、新しい取り組みが実現されたり、そのためにレイアウトを変えたりするたびに思います。
「ここってこんなこともできるの!?」という可能性を少しずつ広げてあげることは育てることでもあるけれど、それは自分自身も施設から教えてもらう感覚があります。
つまり、施設が育つと自分も育つ感覚です(これはONOMICHI SHAREの時も同じことを感じたのですが、施設はおもしろいです。個性があるからどう育つかはそれぞれで違うなぁと)。
■まとめ&4月以降について

bench!という施設は古民家タイプ。ロケーションも違うしONOMICHI SHAREとは異なるなぁと感じるけれど、間違いなく違った日々の画、会話、面白さがあります。
会員さんからの嬉しかった言葉で「bench!さんって、なんかサービスを提供されているというよりは、利用者みんなでここを維持管理するようなそういう場所な気がして」と言ってもらいました。(気づけば掃除までしてくださっていました。これは本当に申し訳ないです。。!)
そんな風に会員さんに甘えつつ、また銀行まわりや買い出しで不在の時間は会員さんに店番をお願いしたりともっと甘えています。
ただ、上記の会員さんのコメントはどんぴしゃでご理解いただいたコメントで「みんなで回しているのがbench!という場所」かなと思います。(公言していますが、施設の運営経費と次の人材育成が何とか回れば万々歳なので、その分利用くださる方みんなで、施設やここで起こること、ここの価値を維持できればいいなと思っています。)
とりあえず各イベントや取り組みは、まだ動き始めたばかりで。4月から新年度が始まり、5月にはまたオープンする時間も増やせないかなと考えています(まだ未定)。
ということで、ようやく動き出したbench!。今後は、日々のなかで気づいたこと、おもしろかったエピソード、また数か月経ってからの近況報告などができればと思います。
今回は以上です。引き続きどうぞよろしくお願いします!

※0~80歳ぐらいが利用するコワーキングスペースです(2025年3月時点)